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にわかコンサルタントを気取って

"Access95 データベース作成のコツ"が書店に並ぶようになって二ヶ月ほど過ぎたある夜、自宅に見知らぬ人物から電話がかかって来た。
N氏と名乗るその人物は、大阪市内にある会社を経営していて、それまで手作業だった自社の製品管理をAccessでシステム化しようと試みているが、まったく計画が進まないので指導をお願いしたいとの要旨であった。

依頼の内容以前の困惑。「何で電話番号が分かったんやろ。編集部に問い合わせて教えられたのか、はたまた"桐たんす"のメンバーの誰かが紹介したのか」・・・等々。首を傾げつつ、ふと思い当たった。
本書の表紙はペンネームなのだが、何と奥付に本名がそのまま書かれてあったのである。(;`ー´)

N氏にそれを質してみたら、やはりそれを手がかりに"NTT電話帳"で調べあげたとの説明であった。
奥付には、著者のプロフィールとして"小企業のデータベース開発に情熱を燃やしている"という一文があり、それに惹かれて白羽の矢を当てたそうである。たしかに、どんなAccess本にもそんな事は書いていない。
熱心かつ非常に紳士的な話しぶりに好感を持ち、二つ返事で引き受けた。そもそもこのテの話は大好きである。
コンサルタントのまね事が出来るのだと嬉々としていた。我ながら身の程知らずにも程があるとは思いつつ・・・

勤め人なので土曜日のみの対応になるという事を了解してもらって、早速その週末に出かけた。

意気揚々と西区にあるその会社に行ってみて驚いた。
小企業どころではない、建設資材で有名な、堂々たる自社ビル所有の中堅企業である。((´゙゚'ω゚'))
よっぽど玄関の受付手前でUターンしようかと悩んだ末、名乗り出ると丁重な応対で立派な応接室に通された。
ふかふかのソファにふんぞり返って、待つほどの事もなくパシッとしたスーツの男性が三名現れた。
こっちはお気楽なカジュアルウエアである。アポをとって来られた男性から名刺を受取り、またビックリ。
どうみても30歳そこそこで弁説爽やかな好青年N氏は、社長の"御曹司"でありました。

かんたんにあいさつを済ませて事情を聴くと、この会社は本当にコンピュータの導入が遅れていて、ようやくシステム計画が始まったが、N氏の発案でどうせなら自前でやろうとなり、専属社員を採用したものの、半年かかってもまったく進まないので困っているとの事であった。
N氏のかたわらで緊張した面持ちの二名がその要員なのだった。そのうち一名の K氏は、N氏によると国立大学理工学部出身で"FORTRAN"を履修され"第一種情報処理技術者"でもあるという経歴を買って採用したものの、Accessには手も足も出ない状況なのだと説明されて気の毒に恐縮至極の様子であった。

今からざっと20年前の事である。当時のフツーの経営者が思いつくのは、システム開発に必要なスキルは"ふぉーとらん"か"こぼる"しかないのであった。もちろんそれらが何を意味するのかは、当の経営者さんはまったく知らないし、単に定番のツールなのだろう程度の認識。
とはいえ、それはやむを得ない事なのであった。パソコンが普及しつつあったとはいえ、企業の基幹情報システム用としてはまだまだ役不足で、"オフコン"と明確に区別されていた時代でもあった。そして、オフコンを活用するためのツールが"FORTRAN"と"COBOL"なのだろうという美しき誤解。( ´ー`)
この会社でも、自社開発にこだわったために、きっちりとそのワナにはまってしまっていたわけである。
聡明な N氏は、これからのシステム開発は"Access"なのだと目をつけたところまでは良かった。誤算は、それには"FORTRAN"の素養があれば万全なのだと思い込んでしまった事。優秀な技術者を採用して、"Access"さえあれば容易に自社開発出来るはずであったのが、そうはいかなかったというのがキビシイ現実なのだった。

ひとととおり経緯の説明を受けて、ふつふつとモチベーションが生まれ、コンサルを引き受けることにした。
もちろん、Access前提ならば自ずと用途は限定される事をきっちり説明し、カネの話もしっかりした。
遊び半分で出来る仕事ではない。それには報酬を十分もらう必要がある。
・・・という勝手な理屈を胸に秘め、1回5時間で5回の研修とし、計◯◯万円との提示を快諾されてしまった。
もう逃げられない。正真正銘、身の引き締まる思いである。
ちなみに、"5回"というのは、深入りせずいつでも逃げ出せるようにとの保身からであった・・・Ψ(`∀´)

以下、次号に続く

※固有名詞を出しても何の問題もないとは思うが、何しろせちがらいご時世につき、会社名はあえて伏せてある

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写真と本文は関係ありません。( ´ー`)
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